数次相続が発生し、依頼者は預貯金を相続するとともに、代償金の支払を受けられた事例
- 2022.05.16
※こちらは実際の解決事例のもとにご加筆させていただいた架空事例となります。実際のご相談・ご依頼に対して、厳格な守秘義務を負っているため、安心してご相談ください。
ご依頼者様の属性
年代:60代男性
被相続人との関係:子ども
相手方:亡くなったお兄さんの配偶者
争点
遺産分割・預金の使い込み
ご相談に至った背景
依頼者のお父さんが亡くなり、相続人は、依頼者と依頼者のお兄さんです。お父さんと兄夫婦は同居していました。
ところが、お父さんの遺産分割が完了する前に、お兄さんも亡くなり、依頼者とお兄さんの配偶者との間で協議をする必要が生じました。
当事者同士の話し合いでは分け方がまとまらず、お兄さんの配偶者が弁護士を立てて家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てたため、依頼者が当事務所に相談に来られ、ご依頼を受けることになりました。
当事務所の対応
不動産について
お兄さんの配偶者は、お父さんと同居していた土地建物の取得を希望したため,当事務所から不動産業者に査定を依頼し、その評価額をもとに代償金について協議をしました。
預金の使い込みについて
遺産を調査する方法として、金融機関への問合せをご提案しました。金融機関からの回答により、相手が主張するもの以外にも遺産があることが判明しました。また、取引履歴を取り寄せたところ、お父さんが認知症になった後、お兄さんがお父さん名義の預貯金を下ろして使い込んでいた疑いが出てきました。
そこで、お父さんが生前に利用した介護施設と医療機関、市役所の介護保険課から、介護記録、医療記録等の資料を取り寄せ、預金が引き出された時期のお父さんの認知症の程度、金銭管理を自分でしていたのはいつまでか、金融機関に外出することが可能だったか等を調査しました。
その結果
預貯金については、依頼者が全て取得し、不動産については、査定額を基準とした代償金をお兄さんの配偶者から依頼者に支払う形で遺産分割調停が成立しました。
預金の使い込みに関しては、遺産分割調停とは別途、不当利得返還請求訴訟を行うことも可能でしたが、依頼者が早期解決を強く希望されたため、今回は訴訟を提起しないことになりました。
弁護士所感
遺産分割の成立前に相続人が亡くなると、相続関係が複雑になり、協議する相手も変わるため、問題が長期化しやすくなります。
また、弁護士に調査を依頼することで、相続人が把握していなかった遺産が見つかったり、他の相続人による使い込みが発覚したりすることもあります
できるだけ早い段階で、相続問題の専門家である弁護士に相談するとよいでしょう。